自然エネルギー体験イベント 語って、見つけて、作りだす

終了報告レポート

イベントは無事に終了しました。ご来場いただいたみなさん、ご協力いただいたみなさんりがとうございました。

2日目

 イベント二日目の11月8日は、「大多喜町 低炭素社会づくりシンポジウム ―地域の人々と考える森林・竹林の活かし方―」シンポジウムを開催しました。タイトル通り、町長はじめ地域の方々に多数ご参加いただき、あいにくの雨模様にもかかわらず大盛況の催しとなりました。

オープニング

 はじめにefco.jp代表理事の佐藤建吉(千葉大学大学院准教授工学研究科都市環境システムコース)が主催者挨拶を行い、「先進的な田舎」をキーワードに地方創生の新しいビジョンを提示しました。

 続いて、来賓を代表して、林野庁前長官の沼田正俊氏が登壇してくださいました。沼田氏は、林業行政トップとしての長年の経験をもとに、森林ビジネスの多様な意義をお話しくださるとともに、当団体の取組みに大きな共感をお寄せくださいました。

屋外デモンストレーション

 来賓挨拶の後は、参加者全員で屋外に出て、「竹炭づくり」の見学です。「NPO法人竹もりの里」代表の鹿島與一氏たちが、炎を上げる竹炭づくりを実演してくれました。竹炭づくりは、荒れた竹林の再生に向けて、竹に新たな商品価値を与えようとするプロジェクト。鹿島氏によると、竹炭は土壌改良材や脱臭剤としての効果も高く、いま改めて多方面から注目を集めているそうです。

講演・質疑

 屋内に戻って、いよいよ講演会の始まりです。
一人目の講師は、林野庁林政部木材利用課企画調整班課長補佐の吉本昌朗氏。「木材利用の促進と林業の成長産業化」と題して、これまでの林業政策の歩みと、これからの展望を分りやすく解説してくれました。吉本氏は、「川上から川下に至る総合的な施策を展開し、木材利用を軸としたまちづくりを推進したい」という林野庁の考えを示すとともに、林産物についてのTPP合意にも触れ、参加者の関心を集めました。

 二人目の講師は、神奈川県で先進的な林業経営に取組む「Bioフォレステーション株式会社」代表取締役の近藤亮介氏が務めてくれました。近藤氏は、木質バイオマス発電への関心が高まるなか、日本の林業の再興を目指して、自ら山を買って事業を始めた人物。これまで山に放置されてきた未利用間伐材を全て搬出し、“使い切る”ことにこだわっているといいます。ご自身のこれまでの取組みと今後の展望について、行政との駆け引きなど様々な実践的アドバイスを交えて語ってくれました。

車座トークリレー

 午後は、地域の方々と専門家が同じ土俵で語り合う「車座トークリレー」を行いました。来賓挨拶をしてくださった沼田前林野庁長官や講演会講師のお二人、地元からは大多喜町町長の飯島勝美氏も加わり、打ち解けた雰囲気の中、ざっくばらんな意見交換をすることができました。この車座トークで膝を交えた参加者は、およそ80人。そのうち約30人がマイクを握るという、活気あるトークリレーとなりました。

以下、発言のいくつかのをご紹介します。

  • 飯島勝美氏(大多喜町町長)
    「CO2削減の意味からも、森林・竹林をしっかりと育成していかなければならい。今日のシンポジウムは、それを考える良い機会だ」
  • 沼田正敏氏(林野庁前長官)
    「このように地域の方々が集まって、情報を集めて、意見交換して、発信して、その反応をみて次につなげるという取組みは本当に大事なこと。私も、少しでも良くなる方向に動いていきたい」
  • 藤江信一郎氏(いすみ自然エネルギー株式会社 代表)
    「田舎暮らしの良さを伝える活動をしている。お客様に山に入っていただき、その素晴らしさを実感してもらうことが第一歩ではないかと考えてる」
  • 鈴木克己氏(勝浦市議会議員)
    「勝浦は海だけでなく山もある。少子高齢化が進む勝浦市にとって、雇用創出が課題。森林バイオマスを活かして雇用の場をつくりたい」
  • 鹿島與一氏(NPO法人 竹もりの里)
    「竹林の荒廃をなんとかしたい。竹が使われなくなって久しいが、竹を燃やしてつくる竹炭には大きな可能性がある。農業利用など引き合いも多い」
  • 高澤真氏(東湘物産株式会社専務取締役)
    「農地の上で太陽光発電をするソーラーシェアリングを3年前から実践している。そこから得られる収益を竹林整備に充てている。バイオマス、再エネを使って、多くの人が農村で生きていける状況をつくりたい」
  • 萩野保氏(きみつ里山ネットワーク代表)
    「地域でお金を回す仕組みづくりが重要。大学生の活動の拠点にしてもらうことも考えている」
  • 河合純男氏(株式会社りゅういき自然エネルギー代表取締役)
    「群馬県みなかみで活動をしている。みなかみでは行政主導ではなく、民間主導で地域エネルギー推進に取組んでいる。地域のエネルギーは“地域の力で、地域の資本で、地域の住民のために使う”ということを基本にしていかなければならない」
  • 松浦晃氏(株式会社つくば林業代表取締役)
    「森林を利活用するということは、水源を守るということ。それを正しく理解して、県民の皆さんと行政が一丸となって取組んでいけるような仕組みづくりを進めてほしい」
  • 小倉慶二郎氏(老川地区開発協議会会長)
    「農業をしながら炭焼きをしている。都会から炭焼き体験希望者を招いたり、子どもたちに木に親しんでもらう活動もしている。いまは荒れているが、炭焼きから見ると宝の山だ。地元の資源を活用して、地場産業の育成に役立てていきたい」

エコ・フューチャーセッション

 イベントの最後を締めくくったのは、地元の方々を中心とした「エコ・フューチャーセッション」。参加者で5人1組のチームをつくり、「大多喜の未来への提言」をテーマに意見交換を行いました。まずは各チーム内で話し合い、チームとしての考えを集約。続いて、各チームの考えを発表し合い、全体としての提言を取りまとめました。大切なのは、大多喜の豊かな資源を活かして、活気に満ちた暮らしを育み、それをしっかりと次世代につないでいくこと。参加した皆さんにとって、これからの地域づくりを考える貴重な機会になったようです。

その他

 また前日と同じように、シンポジウムと並行して、養老渓谷自然観察会や、子ども向け体験講座(エコクッキング、手づくりロケット)、エコカフェ、エコライブ、フリーマーケット、展示などが行われました。